エネルギー管理士の資格
近年では、省エネの観点からエネルギー管理士の資格が重宝されるようになってきました。大規模な建物でない限りはエネルギー管理士の資格者を配属させる義務はありませんが、小規模な建物は「エネルギー管理員」を配置しています。
ビルメン(設備管理)業界では、「三種の神器」と呼ばれ、難関資格として認定されています。ビルメン(設備管理)の三種の神器とは、エネルギー管理士、電検三種、ビル管の3つの資格のことです。
エネルギー管理士の資格取得で年収アップ
エネルギー管理士の資格は簡単には取得できません。しかし、建物の管理にエネルギー管理士の選任が義務付けられている現場は誰かがエネルギー管理士の資格を取得しないといけません。
エネルギー管理士の資格を取得すると、祝い金や資格手当といった形で毎月支給してくれる会社も多いです。
責任者を任されたい!出世したい!そんな人は気合を入れて取得するべきです。難関資格を取得してデメリットはありません。
年収がアップするといったメリットしかありません。
エネルギー管理士の資格は需要がある
エネルギーの合理化という名のもと、工場やビルなどにエネルギー管理士を配属させるようになってきています。日常的に規定量以上のエネルギーを使用する工場は、第一種エネルギー管理指定工場に指定されます。
このうちの「製造業」「鉱業」「電気供給業」「ガス供給業」「熱供給業」の業種については、エネルギー管理士免状の交付を受けている者を選任しないといけないことになっています。
エネルギー管理士の資格を取得の方法
エネルギー管理士の資格を取得するためには、二通りのパターンがあります。
1つ目は、国家試験を受けて4科目合格して実務経験証明書と共に免状を申請する方法。
2つ目は、講習を受けて免状を貰う方法。
どっちの方法でエネルギー管理士の資格を取得しても同じですが、国家試験を経てエネルギー管理士の免状を貰う人が圧倒的に多いようです。
エネルギー管理士の試験難易度
エネルギー管理士の国家試験は難易度がかなり高いです。
試験は4科目あり、全ての科目を合格して初めて免状の申請をすることができます。難易度は電験三種と同じ程度のレベルです。
エネルギー管理士試験は「科目合格」制度がある
エネルギー管理士試験は数ヶ月の勉強で合格できるほど甘くありません。1年もしくは2年といった長いスパンで計画を立てて地道に学習するしかありません。
4科目の内の合格した科目は、以後3年間は科目免除で試験を受けることができます。
今年2科目合格したのであれば、翌年、翌々年は2科目の受験だけでOK。
しかし、科目合格しても3年以内に他の科目を合格しないとせっかく合格した科目を最初から勉強して取り直さないといけなくなります。
エネルギー管理士試験はマークシート方式
エネルギー管理士試験はマークシート方式で、答えをマークシートに塗りつぶしていくだけです。勉強して試験に挑まないといけませんが、運が良ければ適当に回答しても当たる可能性もありますね。
エネルギー管理士の分野
エネルギー管理士の科目は以下に分かれています。
必須基礎課目
1 エネルギー総合管理及び法規
選択専門課目
「熱分野」
2 熱と流体の流れの基礎
3 燃料と燃焼
4 熱利用設備及びその管理
「電気分野」
2 電気の基礎
3 電気設備及び機器
4 電力応用
このように、熱分野と電気分野に大きく分かれます。
エネルギー管理士試験では、自分の得意な方を選択して受験することが可能です。電験三種を取得していれば、電気分野でエネルギー管理士の試験に挑戦することが容易くなります。
エネルギー管理士 願書の受付、試験会場、申込金額、合格発表
願書受付期間
エネルギー管理士の申込書の受付期間は、5月の中旬から6月の中旬まで。提出期限を過ぎると、無効になってしまうので前もって用意して余裕を持って申込みしたほうがいいでしょう。
受験申込の金額
このエネルギー管理士の受験申込の金額は17000円です。
結構高額なのに驚いてしまいます。願書の申込書を提出したら、あとは試験日を待つだけです。
試験日程
エネルギー管理士の国家試験は、毎年8月上旬に行われています。
試験会場
試験会場は、主要都市で行われます。
全国で10ヶ所の地域(仙台、東京、富山、大阪、広島、高松、福岡、那覇)
受験地が遠い場合などは、あらかじめ場所の確認が必要です。
合格発表
エネルギー管理士試験の合格発表は、9月の上旬に行われます。試験からちょうど一ヶ月後です。
合格率は?
エネルギー管理士の合格率ですが、難関資格だけあってかなり低いです。
2012年の電気分野で16パーセント、熱分野で28パーセントとなっています。
エネルギー管理士試験を受験する年度によって、合格率は高かったり低かったりと波が大きいです。試験問題が簡単な年と難しい年によって合格率に大きな差が出ています。
エネルギー管理士の資格は2年で4科目合格を狙う
エネルギー管理士の試験は、1年目は2科目の合格を目指して2年目以降に残りの2科目の合格を目指すといった方法もあります。
こうすることで、出題範囲を絞り複雑な計算問題などの深いところまで学習できるので大きなメリットとなります。闇雲に4科目勉強して、1科目も合格できなかったという人も実際にいます。エネルギー管理士の試験対策として、1年目に2科目を合格するつもりで、毎日の勉強スケジュールと計画を立てる方が効果が出ます。
エネルギー管理士試験 勉強方法
エネルギー管理士の勉強方法は、熱分野も電気分野も1年で合格するのは本当に大変です。
勉強時間は平均で1000時間と言われているので、1年で合格するつもりなら1日平均で4時間程度学習しないといけません。
仕事をしながらとなると、途中で諦めたり挫折したくなってしまいます。
エネルギー管理試験のオススメの参考書
エネルギー管理士の資格勉強する際には、参考書と問題集が必要です。エネルギー管理士の参考書は理解することが絶対条件になるので、参考書を選ぶ際にもしっかりと考えないといけません。自分のレベルをしっかりと見極め、選ぶことがポイントです。
初めてエネルギー管理士の試験に挑むのであれば、分かりやすい解説のこんな参考書がいいと思います。
エネルギー管理士 おすすめの参考書① 熱分野テキスト
この参考書は熱分野ですが、初めてエネルギー管理士の試験に挑戦する人には、わかりやすく書いていると思います。範囲が広いので、地道に読んでいくだけである程度の知識がついていきます。電気分野でエネルギー管理士の試験を受けるのであれば、このような参考書がいいかと思います。
エネルギー管理士 おすすめの参考書②
さすがに問題文や解説は細かく深いところまで書いていますが、大切なポイントをしっかりと押さえているので、まとまって整理しやすくなります。
このような分かりやすい参考書をしっかり理解して進めていくと、次は問題集を解いて実力をつけていかないといけません。問題集の選ぶポイントは、答えの回答が詳細に記載されていることが条件です。
この解説がきちんと書いていないと、自分が間違った際に一から調べて時間を無駄にしてしまいます。貴重な時間は無駄にしないようにしましょう。
エネルギー管理士 おすすめの参考書③ 模範回答集
エネルギー管理士の熱分野については、このような問題集も良いかもしれません。これは、過去問題ではありませんが、実戦形式での予想問題集です。ある程度の勉強が進んだ時に、その時点での腕試しと弱点の発見に役立ちます。
エネルギー管理士 まとめ
エネルギー管理士の資格は難関で4科目もあるので、2年かけて合格を目指そう。勉強に関しては、毎日1時間と決めて無理のないように学習しましょう。
参考書や問題集、テキストは先ほど紹介したテキストをしっかり読み込めば、内容はある程度理解できるはずです。
その後は、自分なりの参考書や問題集をやりこめば、エネルギー管理士の資格取得が可能です。